(弘前市史 No:大鰐13 )
阿弥陀堂跡(あみだどうあと)石塔婆群 (青森県南津軽郡大鰐町三ツ目内字富岡)
胎蔵界大日種子を主尊とする石塔婆で、鎌倉時代後期 正応四年(1291)の紀年銘がある。
胎蔵界大日種子石塔婆 (町指定文化財、鎌倉時代後期 正応四年 1291年、石英安山岩、高さ 110Cm 幅 28Cm 厚さ 28Cm) |
石材は、大鰐町(おおわにまち)周辺で産出する石英安山岩を使用する。
阿弥陀仏号を持つ「如阿弥陀仏」の為に造立された石塔婆で、上方に胎蔵界大日種子「ア」、下方に紀年銘を刻む。 |
刻銘は、主尊種子「ア」の下に「正應二二(四)年(1291)辛卯、七月二十五日、為如阿弥陀仏、口口、敬白」の紀年銘・願文がある。
石塔婆 上方
胎蔵界大日如来の種子「ア」を刻む。
刻銘:「正應二二(四)年(1291)辛卯、七月二十五日」 | 刻銘:「為如阿弥陀仏、口口、敬白」 |
阿弥陀堂跡(あみだどうあと)石塔婆群 (青森県南津軽郡大鰐町三ツ目内字富岡)
金剛界大日種子を主尊とし、法華経方便品に出る偈(げ)を刻む石塔婆で、紀年銘は刻まれていない。
金剛界大日種子石塔婆 (町指定文化財、推定:鎌倉時代後期、石英安山岩、高さ 68Cm 幅 40Cm 厚さ 16Cm) |
石面は、上方に金剛界大日如来の種子、下方に法華経方便品に出る偈(げ)を刻む。
石塔婆 上方
金剛界大日如来の種子「バン」を薬研彫する。
法華経 方便品に出る偈(げ)
偈(げ):「十方佛土中(じっぽうぶつどちゅう)唯有一乗法(ゆいういちじょうほう)无二亦无三(むにやくむさん) 除佛方便説(じょぶつほうべんせつ)」
[ 十方の仏土の中には、ただ一乗の法のみあり、二もなく三もなし。仏の方便の説を除く ]
阿弥陀堂跡(あみだどうあと)石塔婆群
八角形の覆屋内に置かれている。
*弘南鉄道 大鰐線「宿河原駅」下車、南西方向へ 約600m。「富岡バス停」の南側、家並みの裏側に立つ。
(撮影:平成25年10月14日)