(No:11-31、後列、左から13基目)
関(せき)の古碑群(青森県西津軽郡深浦町関字栃沢)
康永元年(1342)の紀年銘があり、この石塔婆群で二番目に古い紀年銘を持つ。自然石を加工せずそのまま利用する。
関(せき)一尊種子自然石塔婆(県指定史跡、南北朝時代前期 康永元年 1342年、安山岩、高さ 73Cm 幅 53Cm)
自然石を加工せず、その表面に枠線を入れる。身部上方は二重の月輪内に種子「アン」、下方は願文と「康永元年」の紀年銘を刻む。 |
石塔婆 上部
枠線内上部、二重の月輪内に種子「アン」を大きく刻む。
「アン」は通常、密教系の「阿弥陀如来(胎)」・「普賢菩薩(胎)」として知られ、「大日如来(胎)」種子として使われる場合もある。
石塔婆 下部
四行の罫線が引かれ、願文と紀年銘を刻む。
刻銘:「右修造者為、過去平等阿茂、佛事念 康永、元年(1342)壬午、十一月日、敬白」
刻銘:「佛事念 康永、元年(1342)壬午、十一月、敬白」 | この石塔婆群で、二番目に古い康永元年(1342)の紀年銘を持つ。 |
関(せき)の古碑群(青森県西津軽郡深浦町関字栃沢)
阿弥陀三尊を主尊とする石塔婆で、石塔婆群中 三番目に古い康永二年(1343)の紀年銘がある。
関 阿弥陀三尊種子自然石塔婆(県指定史跡、南北朝時代前期 康永二年 1343年、安山岩、高さ 77.5Cm 幅 63Cm)
自然石を加工せず、その表面に凸形の枠線を入れる。上方に阿弥陀三尊の種子、下方は願文と「康永二年」の紀年銘を刻む。 |
石塔婆 上部
凸形の枠線内上部に阿弥陀三尊の種子を大きく刻む。
三尊種子は、上方に阿弥陀如来の種子「キリーク」、向って右下 に観音菩薩の種子「サ」、左下に勢至菩薩の種子「サク」を刻む。
石塔婆 下部
刻銘:「右大意者為慈父、降尊悲母賢心御、聖霊成仏得道也、康永二(1343)癸未、十月十三日、敬白」
亡き二親の追善供養の為、南北朝時代前期 康永二年(1343)にこの石塔婆を造立した。
刻銘:「康永二(1343)癸未、十月十三日、敬白」 | この石塔婆群で、三番目に古い康永二年(1343)の紀年銘を持つ。 |
石塔婆 中央部
写真、後列の向って右端が康永元年銘(No:11-31)、二基目が康永二年銘石塔婆(No:11-30)。
関(せき)の古碑群(自然石塔婆群)現地説明板 (前列18基、後列24基、Noがついている)
関(せき)の古碑群(自然石塔婆群) (県指定史跡、南北朝時代前期~室町時代前期、安山岩、高さ 39.5~107.5Cm)
甕杉(かめすぎ)のそば、覆屋内に42基の石塔婆が安置されている。
*JR五能線 「北金ヶ沢駅」下車、東南東方向へ 徒歩 約18分。
(撮影:平成25年10月15日)