関(せき)暦応三年銘 種子自然石塔婆(No:11-9、前列、左から9基目)

 関(せき)の古碑群(青森県西津軽郡深浦町関字栃沢)

  暦応三年(1340)の紀年銘があり、この石塔婆群中 最古・最大、また中世この地を支配した安東氏の別称「安倍」姓を刻む石塔婆群の代表的なもの。

関(せき)一尊種子自然石塔婆(県指定史跡、南北朝時代前期 暦応三年 1340年、安山岩、高さ 107.5Cm 幅 74Cm)

自然石の表面に凸形の枠線を入れ、上方に種子「アン」。下方に「安倍」姓(安東氏)の名が入った願文と紀年銘を刻む。

石塔婆 頭部

頭部は、山形に荒く成形する。

石塔婆 上部

凸形の枠線内上部に種子「アン」を大きく刻む。

「アン」は通常、密教系の「阿弥陀如来(胎)」・「普賢菩薩(胎)」として知られ、「大日如来(胎)」種子として使われる場合もある。

石塔婆 下部

刻銘:「右為慈父、安倍是阿、悲母円阿逆、修善根也、暦応三(1340)庚辰、九月

父 安倍是阿と母 円阿の逆修供養の為、南北朝時代前期 暦応三年(1340)にこの石塔婆を造立した。

法名に時宗の「阿号」が使われていて、被供養者は時宗の宗徒であったと思われる。また中世、この地を支配した安倍姓(安東氏の別称)があるのが注目される。

刻銘:「暦応三(1340)庚辰、九月」 この石塔婆群で、最古 暦応三年(1340)の紀年銘を持つ。

石塔婆 中央部

関(せき)の古碑群(自然石塔婆群)現地説明板 (前列18基、後列24基、Noがついている)

 関(せき) 康永元年銘 種子自然石塔婆                     石仏と石塔-目次!

甕杉(かめすぎ)(県指定天然記念物、樹齢 約1000年、高さ 約35m 幹まわり 最大 7m)

甕杉(かめすぎ)のそば、覆屋内に42基の石塔婆が安置されている。

 板碑(いたび)

*JR五能線 「北金ヶ沢駅」下車、東南東方向へ 徒歩 約18分。

(撮影:平成25年10月15日)