北金ヶ沢(きたかねがさわ)の古碑群(青森県西津軽郡深浦町北金ヶ沢)(No:12-17 短列、右から二基目)
観音菩薩の種子「サ」を主尊とし、脇侍に同じ梵字の地蔵種子「イー」を刻む石塔婆で、月輪を小蓮弁で荘厳する。
北金ヶ沢 観音三尊種子自然石塔婆(町指定史跡、南北朝時代、安山岩、高さ 50Cm 幅 54Cm)
自然石の表面 上方に観音種子「サ」、その脇侍二尊に地蔵種子を刻み観音三尊とする珍しい配置で、下方の枠内に銘文を刻む。 |
観音三尊種子自然石塔婆(現地説明板、部分)
石塔婆上部、観音三尊種子
主尊の観音種子は中央に大きく刻み、外周に小蓮弁を配した月輪と蓮座で荘厳する。脇侍は蓮座のみ。
三尊種子は、上方に観音種子「サ」、向って右下 に地蔵種子「イー」、左下にも同じ梵字で地蔵種子「イー」を刻む。
石塔婆 下部
枠内に、銘文を刻んでいる。残念ながら摩耗・風化が激しい。
刻銘:「右善根者、口口逆修、口口口口、命・・・・・・、口・・・・・・・」
逆修供養として本石塔婆が造立されている。
北金ヶ沢の古碑群(自然石塔婆群)短列 (町指定史跡、南北朝時代)
向って右から二基目が観音三尊種子石塔婆(No:12-17)。
北金ヶ沢(きたかねがさわ)の古碑群(青森県西津軽郡深浦町北金ヶ沢)(No:12-2、長列、左から6基目)
観音種子を主尊とし、蓮座の代わりに散蓮華を刻む珍しい石塔婆で、下方に浄土教古徳之偈が刻まれている。
北金ヶ沢(きたかねがさわ)観音種子自然石塔婆 (町指定史跡、南北朝時代、安山岩、高さ 53Cm 幅 52Cm)
自然石の表面上方 散蓮華(ちりれんげ)上に観音菩薩の種子「サ」を月輪なしに大きく、下方に浄土教古徳之偈を刻む。 |
観音種子自然石塔婆(現地説明板、部分)
石塔婆 上部
観音菩薩の種子「サ」を月輪なしに直接刻む。蓮座の代わりに、散蓮華が刻まれているのは大変珍しい。
石塔婆 下部
四行で浄土教古徳之偈を刻む。尚、関の古碑群を含む本地域の石塔婆群で、浄土教関係の偈(げ)を刻む
のはこの一基のみで、この偈は、浄土宗も時宗も、この偈を重要視し、自分たちの宗派主張に役立てていたという。
偈(げ):「十方三世仏(じっぽうさんぜぶつ)、一切諸菩薩(いっさいしょぼさつ)、八万諸聖教(はちまんしょしょうぎょう)、皆是阿弥陀(かいぜあみだ)」
[ 十方三世の御仏、一切の諸菩薩、八万の諸聖教は、みなこれ阿弥陀 也 ]
北金ヶ沢(きたかねがさわ)の古碑群(自然石塔婆群) 長列部分(海側 面)
観音種子石塔婆(No:12-2)は、向って左端。
北金ヶ沢の古碑群(自然石塔婆群)現地説明板 [長列:海側面13基(No:69-4~12-9)、短列 9基(No:12-10~12-18)]
No:12-1~12-18の18基は、薬師堂古碑群。No:69-1~69-4の4基は、国道工事の際発見され移転の後、当地に安置された。
*JR五能線 「北金ヶ沢駅」下車、西方向へ 徒歩 約600m。北金ヶ沢駅前の道を左折、最初の大きな道を国道側に左折、国道101号線を横断した先に赤い鳥居が見える。そこが、薬師堂への登り口。
(撮影:平成25年10月15日)