北金ヶ沢 不動種子自然石塔婆(No:12-14 短列、左から5基目)

 北金ヶ沢(きたかねがさわ)の古碑群(青森県西津軽郡深浦町北金ヶ沢)

   石塔婆群で唯一の不動種子「カーンマーン」を主尊とする石塔婆で、南北朝時代前期 文和四年(1355)の紀年銘がある。

北金ヶ沢 不動種子自然石塔婆(町指定史跡、南北朝時代前期 文和四年 1355年、安山岩、高さ 62.5Cm 幅 48Cm)

凸形と駒形の合成した枠線を入れ、中央に大きく不動明王の種子「カーンマーン」、左右に造立趣旨と紀年銘を刻む。

「カーマーン」は縦に長い種子の為、通常下方の銘文は左右に、枠線も進化(?)した凸形と駒形の合成になっている。

石塔婆 下部

不動種子「カーンマーン」の左右に願文と紀年銘を刻んでいる。

刻銘:右志為過去口茂尊儀第三年故也 文和 二二(四)九十二、施主、施主、敬白

文和四年(1353)九月十二日 三回忌追善供養として本石塔婆が造立された。

銘:「第三年故也 文和 二二(四)九十二、施主、敬白 刻銘:「右志為過去口茂尊儀」

北金ヶ沢 阿弥陀種子自然石塔婆(No:12-11、短列、左から2基目)

 北金ヶ沢(きたかねがさわ)の古碑群(青森県西津軽郡深浦町北金ヶ沢)

   二重月輪と蓮座で主尊種子を荘厳した石塔婆で、装飾化が進んでくる。南北朝時代 文和五年(1356)の紀年銘がある。

北金ヶ沢 阿弥陀種子自然石塔婆(町指定史跡、南北朝時代前期 文和五年 1356年、安山岩、高さ 56Cm 幅 49Cm)

自然石の表面 上方に阿弥陀如来の種子「キリーク」を蓮座上二重月輪内に、下方に造立趣旨と紀年銘を刻む。銘文のある下方が埋まっている。

石塔婆 上部

阿弥陀如来の種子「キリーク」を蓮座上二重月輪内に刻む。

石塔婆 下部

五行で、願文と紀年銘を刻む。

刻銘:「右善根口、口坊三十、口口口口、文和五(1356)丙申、七月八

尚、文和五年(1356)は三月二十七日迄で、石塔婆に記された七月八日は延文元年にあたる。

北金ヶ沢の古碑群(自然石塔婆群)短列 部分 (町指定史跡、南北朝時代)

左から二基目が阿弥陀種子石塔婆(No:12-11)、五基目が不動種子石塔婆(No:12-14)。

 北金ヶ沢 阿弥陀種子自然石塔婆                        石仏と石塔-目次!

北金ヶ沢の古碑群(自然石塔婆群)現地説明板 [長列:海側面13基(No:69-4~12-9)、短列 9基(No:12-10~12-18)]

No:12-1~12-18の18基は、薬師堂古碑群。No:69-1~69-4の4基は、国道工事の際発見され移転の後、当地に安置された。

 板碑(いたび)

*JR五能線 「北金ヶ沢駅」下車、西方向へ 徒歩 約600m。北金ヶ沢駅前の道を左折、最初の大きな道を国道側に左折、国道101号線を横断した先に赤い鳥居が見える。そこが、薬師堂への登り口。

(撮影:平成25年10月15日)