北金ヶ沢(きたかねがさわ)の古碑群(青森県西津軽郡深浦町北金ヶ沢)(No:69-4 長列、左端)
北金ヶ沢石塔婆群のなかで最も古い文和二年(1353)七月の紀年銘を持つ石塔婆で、胎蔵界大日三尊種子を主尊とする。
北金ヶ沢 胎蔵界大日三尊種子自然石塔婆(町指定史跡、南北朝時代前期 文和二年 1353年、安山岩、高さ 70Cm 幅 65Cm)
駒形(五角形)の枠線を巻き、上方に胎蔵界大日三尊種子、その脇侍二尊に地蔵種子を刻む珍しいもの。下方に願文と紀年銘を刻む。 |
石塔婆群は、北金ヶ沢薬師堂 境内にL字形の配置で安置されている。本石塔婆は、国道工事の際発見されたもので、移転ののち薬師堂の石塔婆群に加えられた。
胎蔵界大日三尊種子自然石塔婆(現地説明板、部分)
石塔婆 上部
駒形の上方に胎蔵界大日三尊種子を刻む。主尊の大日種子は大きく刻み、月輪と蓮座で荘厳する。
三尊種子は、上方に胎蔵界大日種子「ア」、向って右下 に地蔵種子「イー」、左下にも異なる梵字で地蔵種子「イー」を刻む。
石塔婆 下部
五行の罫線が引かれ、願文と紀年銘を刻んでいる。
刻銘:「右逆修者為、光阿現当二、世所願成就、文和二年(1353)癸巳、夷則(七月)十五 日」
文和二年(1353)七月十五日 光阿の逆修供養として本石塔婆を造立した。
刻銘:「文和二年(1353)、癸巳」 | 刻銘:「右逆修者為」 |
北金ヶ沢(きたかねがさわ)の古碑群(青森県西津軽郡深浦町北金ヶ沢)(No:12-15、短列、右から4基目)
北金ヶ沢石塔婆群のなかで最も古い文和二年(1353)の紀年銘を持つもう一基の石塔婆で、阿弥陀種子を主尊とする。
北金ヶ沢 阿弥陀種子自然石塔婆(町指定史跡、南北朝時代前期 文和二年 1353年、安山岩、高さ 66.5Cm 幅 38Cm)
北金ヶ沢石塔婆群で最も古い紀年銘を持つ石塔婆で、自然石の表面 上方に阿弥陀種子「キリーク」、下方に願文と紀年銘を刻む。 |
石塔婆 上部
阿弥陀如来の種子「キリーク」を月輪なしに直接刻む。
尚、当石塔婆群22基中 阿弥陀一尊種子は、紀年銘のあるは8基、紀年銘のないものが1基で、約41%を占める。
石塔婆 下部
三行で、願文と紀年銘を刻む。
刻銘:「右旨面々御尊儀、成道正覚口平等、文和二(1353)癸巳、口秋口、敬白」
北金ヶ沢の古碑群(自然石塔婆群)短列 部分 (町指定史跡、南北朝時代)
中央が阿弥陀種子石塔婆(No:12-15)。
北金ヶ沢の古碑群(自然石塔婆群)現地説明板 [長列:海側面13基(No:69-4~12-9)、短列 9基(No:12-10~12-18)]
No:12-1~12-18の18基は、薬師堂古碑群。No:69-1~69-4の4基は、国道工事の際発見され移転の後、当地に安置された。
北金ヶ沢(きたかねがさわ)の古碑群(自然石塔婆群) 長列(海側 面、13基)
胎蔵界大日三尊種子石塔婆(No:69-4)は、向って左端。
*JR五能線 「北金ヶ沢駅」下車、西方向へ 徒歩 約600m。北金ヶ沢駅前の道を左折、最初の大きな道を国道側に左折、国道101号線を横断した先に赤い鳥居が見える。そこが、薬師堂への登り口。
(撮影:平成25年10月15日)