唐糸御前史跡公園 釈迦三尊種子石塔婆

 唐糸御前(からいとごぜん)史跡公園(青森県南津軽郡藤崎町藤崎二本柳)

  「唐糸御前の碑」と呼ばれている石塔婆で、南北朝時代中期 延文四年(1359)の紀年銘がある。

釈迦三尊種子石塔婆(町指定文化財、南北朝時代中期 延文四年 1359年、安山岩、高さ 170Cm 幅 102Cm 幅 24Cm)

唐糸御前史跡公園内に立つ。石面上方月輪内に釈迦三尊の種子、下方に願文と「延文四年(1359)」の紀年銘を刻む。

北条時頼 回国伝説にまつわる 時頼の愛妾 唐糸御前の伝説を伝える公園内に立ち、「唐糸御前の碑」と呼ばれている。

石塔婆 上部

月輪内に釈迦三尊種子を刻む。

三尊種子は、上方に釈迦如来の種子「バク」、向って右下に普賢菩薩の種子「アン」、左下に文殊菩薩の種子「マン」を刻む。

石塔婆 下部

七行の刻銘があり、左右各三行に願文、中央に紀年銘を刻む。

刻銘:「右塔婆是大日遍照、於僧故周返法界別体、弌(一)然間過去祖父祖母」、

「延文二二(四)(1359)大蔵(年廻)、己亥、八月日施主敬白、「先考先又悉幽儀安、養浄刹結縁給乃至法、界衆生平等利益也」

刻銘:「延文二二、大蔵、己亥、八月日」 北条時頼(1227~1263)の 回国伝説を持つ。

石塔婆 側・背面

唐糸御前史跡公園 一尊種子石塔婆

 唐糸御前(からいとごぜん)史跡公園(青森県南津軽郡藤崎町藤崎二本柳)

   仏尊名不明の珍しい種子を主尊とする石塔婆で、紀年銘はない。

唐糸御前史跡公園 一尊種子石塔婆 (紀年銘なし、安山岩、高さ 76Cm 幅 56Cm 幅 6Cm)

唐糸御前史跡公園内、釈迦三尊種子石塔婆の近くに立つ。上方月輪内に仏尊不明の種子を大きく刻み、下方に願文と造立者名を刻む。

尚、弘前市史は、本種子を「シリー(吉祥天)」としている。

石塔婆 下部

三行の刻銘があり、下方は土に埋もれている。

左右に大きな文字で「為悲母卅三口、諸人成仏故也」、中央に「重阿弥」と「阿弥号」の名を記す。

 摂取院(せっしゅいん)金剛界大日種子石塔婆                石仏と石塔-目次!

唐糸御前史跡公園 釈迦三尊種子石塔婆 (町指定文化財、南北朝時代中期 延文四年 1359年)

バックには、岩木山(標高 1624.7m)が見える。

 板碑(いたび)

*JR五能線 「藤崎駅」下車、北西方向へ 徒歩 約20分。または、弘前駅前から弘南バス弘前~五所川原線に乗車、「唐崎園芸高校入口バス停」下車、北方向へ約700m。「弘前駅観光案内所」で、レンタサイクルを利用するのも便利。

(撮影:平成25年10月13日)