神明宮(しんめいぐう)[青森県弘前市大字三世寺(さんぜじ)字色吉(いろよし)39]
音阿弥陀仏のもと、三十人の講衆が結衆して造立した石塔婆で、元亨四年(1324)の紀年銘がある。右隣に安置の金剛界大日種子石塔婆と双式。
三世寺 釈迦種子自然石塔婆(市指定文化財、鎌倉時代後期 元亨四年 1324年、安山岩、高さ 138Cm 幅 130Cm)
神明宮境内、向って右側の覆屋内、左端に安置。石面上方に釈迦如来の種子「バク」、下方に造立趣旨と紀年銘を刻む。 |
「陸奥古碑集」(中村良之進 著、陸奥史談会事務所 発行)によれば、本石塔婆は「旧小山村領青女子堰左岸二基の内」とある。
石塔婆 上部
月輪なしに釈迦如来の種子「バク」を大きく刻む。
石塔婆 下部
向って右端に「音阿弥陀仏」左端に「講」、その右下に「衆卅人」、中央に「元(元亨)二二(四)(1324)、甲子、三十」と刻まれている。
音阿弥陀仏のもとに三十人の講衆が結衆して、本石塔婆を元亨四年(1324)三月に造立した。
時宗の「阿弥陀仏号」を持つ音阿弥陀仏と三世寺の大檀那 安藤氏との関係が知れる。
刻銘:「講、衆卅人」 | 刻銘:「元(元亨)二二(四)(1324)、甲子、三十」 |
年号は本石塔婆が「元」で、右隣に安置の金剛界大日種子石塔婆が「亨」、二基で「元亨」と読ませている。
神明宮(しんめいぐう)[青森県弘前市大字三世寺(さんぜじ)字色吉(いろよし)39]
地蔵菩薩を主尊とする石塔婆で、紀年銘はないが鎌倉後期~南北朝時代の造立と思われる。
三世寺 地蔵種子自然石塔婆(市指定文化財、推定:鎌倉後期~南北朝時代、安山岩、高さ 121Cm 幅 100Cm)
神明宮境内、向って右側の覆屋内、左から三基目。石面上方、月輪内に地蔵菩薩の種子「カ」を刻む。下方に刻銘はない。 |
「陸奥古碑集」(中村良之進 著、陸奥史談会事務所 発行)によれば、本石塔婆は「前記元亨の碑より南方四・五十間を隔てし田の畔に立てり」とある。
石塔婆 上部
月輪内に地蔵菩薩の種子「カ」を大きく刻む。
北側(右側)の石塔婆群
左端と二基目の石塔婆が同年同月銘で双式。三基目が本地蔵種子石塔婆。
三世寺(さんせじ)金剛界大日種子自然石塔婆 石仏と石塔-目次!
神明宮(しんめいぐう)
往時、この地は天台宗 三世寺が館を構えており、神明宮は、その館跡にある。
三世寺の別当は、熊野修験であったという。(天台宗系の本山派)
*JR 弘前駅前から弘南バス 弘前~十腰内・板柳・笹館線(三世寺経由)に乗車、「三世寺バス停」下車、西方向へ約700m。
(撮影:平成25年10月13日)