乳井(にゅうい)神社墓地 五輪塔

 乳井神社墓地(にゅういじんじゃぼち)(青森県弘前市乳井字外ノ沢)

  石塔婆群の中央に置かれている大型の五輪塔で、鎌倉時代の造立と推定されている。

乳井神社墓地(にゅういじんじゃぼち)五輪塔 (市指定文化財、鎌倉時代、高さ 119.5Cm 幅 75Cm 奥行 63Cm)

石塔婆群の中央に安置される大型の五輪塔で、頂部の風・空輪は別物を載せる。弘前市で、鎌倉時代の本五輪塔のみ。

「陸奥古碑集」(中村良之進 著、陸奥史談会事務所 発行)によれば、本五輪塔は乳井神社本殿 裏の境外にあった。

また「伝説は乳井の城主 乳井大隅守とも 又其の父 福王寺玄蕃の墓石なりとも云へり」とあるが、年代が合わず鎌倉時代のものとされている。

五輪塔 風・空輪

風・空輪は、別物を載せている。通常、空輪は宝珠形で、風輪は半球形。

五輪塔 火輪

屋根の勾配・軒反は、ともに緩く古調を示す。

五輪塔 水輪

球形で、正面に大きく金剛界大日如来の種子「バン」を刻む。裏面は、一部欠けている。

五輪塔 地輪

地輪は、低く古調を示している。

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乳井神社墓地 石塔婆群

五輪塔を中心に据え、石塔婆を左側に五基、右側に四基、右方手前に一基置いている。

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*弘南鉄道 大鰐線「石川プール前駅」下車、北東方向へ 約1.7Km。または弘前バスターミナルから弘南バス 弘前~平賀線に乗車、「石川入口バス停」下車、南方向へ約750m。乳井神社墓地は、神社 社殿に向って左側の山道を少し登ると、「乳井神社の五輪塔・板碑群」の立札がある。その場所から山道を進まず、左手の高い丘陵側に登るとリンゴ園の一画にある。

(撮影:平成25年10月14日)