(弘前市史 No:弘前21 )
乳井神社墓地(にゅういじんじゃぼち)(青森県弘前市乳井字外ノ沢)
開敷華王(かいふけおう)如来の種子「アー」を主尊とする石塔婆で、鎌倉時代後期 嘉元四年(1306)の紀年銘がある。
開敷華王種子石塔婆 (市指定文化財、鎌倉時代後期 嘉元四年 1306年、石英安山岩、高さ 93Cm 幅 66Cm 厚さ 30Cm)
石塔婆群、中央の五輪塔から右に二基目。石面は、上方月輪内に種子「アー」、下方に三行 願文と紀年銘を刻む。 |
開敷華王(かいふけおう)の種子「アー」は胎蔵界四仏でお馴染みで一尊で刻まれるのは珍しいが、この周辺ではままある。
石塔婆 上方
開敷華王(かいふけおう)如来の種子「アー」を月輪内に薬研彫する。
石塔婆 下方
刻銘は、左右に「右為當大日口年往生、極楽乃至法界同利益矣」、中央に「嘉元四年(1306)正月十六日」と刻む。
刻銘:「嘉元四年(1306)」 | 石塔婆群には、もう一基種子「アー」を刻む同年銘の石塔がある。 |
乳井神社墓地石塔婆群、向って右側四基
開敷華王種子石塔婆は、向って左から二基目に立つ。
(弘前市史 No:弘前18 )
乳井神社墓地(にゅういじんじゃぼち)(青森県弘前市乳井字外ノ沢)
金剛界大日種子「バン」を主尊とする石塔婆で、紀年銘は不明。
金剛界大日種子石塔婆 (市指定文化財、紀年銘不明、石英安山岩、高さ 101Cm 幅 43Cm 厚さ 34Cm)
石塔婆群、中央の五輪塔から左へ二基目、中央に折損の痕がある。石面は、上方月輪内に金剛界大日種子を刻み、下方は不明。 |
石塔婆 上方
金剛界大日如来の種子「バン」を月輪内に薬研彫する。
乳井神社墓地石塔婆群、向って左側五基
上記、金剛界大日種子石塔婆は、中央の五輪塔から左へ二基目端。
乳井神社墓地
前列に近世の墓石、後列に鎌倉時代後期~南北朝時代の石塔が立つ。
*弘南鉄道 大鰐線「石川プール前駅」下車、北東方向へ 約1.7Km。または弘前バスターミナルから弘南バス 弘前~平賀線に乗車、「石川入口バス停」下車、南方向へ約750m。乳井神社墓地は、神社 社殿に向って左側の山道を少し登ると、「乳井神社の五輪塔・板碑群」の立札がある。その場所から山道を進まず、左手の高い丘陵側に登るとリンゴ園の一画にある。
(撮影:平成25年10月14日)