(弘前市史 No:弘前20 )
乳井神社墓地(にゅういじんじゃぼち)(青森県弘前市乳井字外ノ沢)
乳井神社墓地石塔婆群のなかで一番背が高く、鎌倉時代後期 乾元二年(1303)の紀年銘がある。
阿弥陀種子石塔婆 (市指定文化財、鎌倉時代後期 乾元二年 1303年、石英安山岩、高さ 119Cm 幅 44.5Cm 厚さ 23Cm)
石塔婆群、中央の五輪塔に向って右隣に立つ。石面は、上方に阿弥陀種子「キリーク」、下方に三行 造立趣旨と紀年銘を刻む。 |
阿弥陀種子、「キリーク」
石塔婆 上方、阿弥陀如来の種子「キリーク」を刻む。 | 石塔婆、下方の刻銘 |
刻銘は、左右に「右旨趣者慈父幽、儀無餘生死平利」、中央に「乾元二(1303)、癸卯、十月 日」と刻む。
乾元の年号は、乾元二年(1303)八月四日迄で、乾元二年十月は嘉元元年になる。
刻銘:「乾元二年(1303)、癸卯、十月」 | 方形・板状の石塔婆で、刻銘も大きく、くっきりと残っている。 |
乳井神社墓地石塔婆群、向って右側四基
乾元二年(1303)銘石塔婆は、向って左端。石塔婆は、隣接する大鰐町(おおわにまち)周辺で産出する石英安山岩を使用する。
(弘前市史 No:弘前17 )
乳井神社墓地(にゅういじんじゃぼち)(青森県弘前市乳井字外ノ沢)
金剛界大日種子「バン」を主尊とする石塔婆で、風化・摩耗が激しい。紀年銘は不明。
金剛界大日種子石塔婆 (市指定文化財、紀年銘不明、石英安山岩、高さ 72Cm 幅 34Cm 厚さ 23Cm)
乳井神社墓地石塔婆群、向って左側五基
上記、金剛界大日種子石塔婆は、向って右から三基目端。
乳井神社墓地、隣接するリンゴ園で豊かに実る「りんご」
乳井神社墓地
向って左側二基が、近世の乳井氏の墓石。その右側が、「福王寺祖親九百拾年鎮霊式年祭」で建てられた記念碑。
*弘南鉄道 大鰐線「石川プール前駅」下車、北東方向へ 約1.7Km。または弘前バスターミナルから弘南バス 弘前~平賀線に乗車、「石川入口バス停」下車、南方向へ約750m。乳井神社墓地は、神社 社殿に向って左側の山道を少し登ると、「乳井神社の五輪塔・板碑群」の立札がある。その場所から山道を進まず、左手の高い丘陵側に登るとリンゴ園の一画にある。
(撮影:平成25年10月14日)