(弘前市史 No:弘前19 )
乳井神社墓地(にゅういじんじゃぼち)(青森県弘前市乳井字外ノ沢)
乳井神社墓地石塔婆群のなかで一番古い鎌倉時代後期 正安三年(1301)の紀年銘を持つ石塔婆。
阿弥陀種子石塔婆 (市指定文化財、鎌倉時代後期 正安三年 1301年、石英安山岩、高さ 93Cm 幅 36Cm 厚さ 38Cm)
石塔婆群、中央の五輪塔に向って左隣に立つ。上方をを欠損、石面上方に阿弥陀種子、下方に三行 造立趣旨と紀年銘を刻む。 |
石塔婆 上方
阿弥陀如来の種子「キリーク」を月輪内に薬研彫する。
石塔婆 下方
左右に「當寺為前別當大円正魂、乃至法界平等利益故也」、中央に「正安三年(1301)二月口日 敬白」と刻む。
当寺(福王寺) 前別当 「大円」の名が刻まれている。
刻銘:「正安三年(1301)二月」 | 下方の刻銘は、土に埋もれて最後まで読めない。 |
石材は、大鰐町(おおわにまち)周辺で産出する石英安山岩を使用する。
(弘前市史 No:弘前15 )
乳井神社墓地(にゅういじんじゃぼち)(青森県弘前市乳井字外ノ沢)
上半を折損する石塔婆で、主尊と月輪の下方が少し残る。紀年銘は不明。
乳井神社墓地 石塔婆 (市指定文化財、紀年銘不明、石英安山岩、高さ 78Cm 幅 54Cm 厚さ 20Cm)
乳井神社墓地石塔婆群、向って左側五基
正安三年(1301)銘石塔婆は、向って右端。その右隣に五輪塔の一部が見える。
乳井神社墓地石塔婆群
往時は付近に散在していたものを一ヶ所にまとめ、五輪塔を中心に左側に五基、右側に四基、右方手前に一基、計十基が立っている。
*弘南鉄道 大鰐線「石川プール前駅」下車、北東方向へ 約1.7Km。または弘前バスターミナルから弘南バス 弘前~平賀線に乗車、「石川入口バス停」下車、南方向へ約750m。乳井神社墓地は、神社 社殿に向って左側の山道を少し登ると、「乳井神社の五輪塔・板碑群」の立札がある。その場所から山道を進まず、左手の高い丘陵側に登るとリンゴ園の一画にある。
(撮影:平成25年10月14日)