中別所 金剛界大日三尊種子石塔婆(弘前市史 No:弘前75)

 中別所(なかべっしょ)石塔婆群・石仏(いしぼとけ) [青森県弘前市中別所字葛野(くずの)]

  金剛界大日種子「バン」を三尊形に配置、剥離面にも種子・銘文を刻む石塔婆で、鎌倉時代後期 正和二年(1313)の紀年銘がある。

中別所 金剛界大日三尊種子石塔婆 (鎌倉時代後期 正和二年 1313年、安山岩、高さ 79Cm 幅 75Cm)

剥離面を伴う表面上方に金剛界大日種子「バン」を三尊形に配置、下方研磨面に四句の偈、剥離面に造立趣旨と紀年銘を刻む。

剥離面の左端に「正和二年(1313)八月十八日、法主、敬白」、左側面に一日後の「正和二年八月十九日立」の紀年銘が刻まれている。

石塔婆 上方

金剛界大日如来の種子「バン」を三尊形に配置する。

石塔婆 下方

研磨面に法華経化城喩品に出る偈(げ)願以此功徳 普及於一切 我等与衆生 皆共成仏道」、剥離面に

「右新圓奉辻丸、当五七忌為仏道、立石塔而已、正和二(1313)癸丑、八月十八日」の造立趣旨と紀年銘、

左側面に、立塔日「正和二(1313)癸丑、八月十九日」の年月日が刻まれている。

剥離面の刻銘(全文) 刻銘:正和二(1313)、癸丑、八月十八日」

剥離面の刻銘:「右新圓奉辻丸、当五七忌為仏道、立石塔而已、正和二(1313)癸丑、八月十八日」

※ 弘前市史では、一行目の「奉」は「寂」となっている。

法華経化城喩品に出る偈(げ)

偈(げ):「願以此功徳(がんにしくどく) 普及於一切(ふぎゅうおいっさい) 我等与衆生(がとうよしゅじょう) 皆共成仏道(かいぐじょうぶつどう

[ 願わくばこの功徳をもって、あまねく一切に及ぼし、我等と衆生と、皆共に仏道を成ぜん ]

剥離面 研磨面

※ 中別所(なかべっしょ)石塔婆群 掲載分一覧

 中別所 元応三年銘 金剛界大日種子石塔婆                   石仏と石塔-目次!

中別所(なかべっしょ)石塔婆群 (石仏)

後方の左側は、岩木山(標高 1624.7m)の山裾。

 板碑(いたび)

*JR 弘前駅前から弘南バス 弘前~船沢・三ツ森線、または弘前~弥生・新岡・葛原線に乗車、「折笠バス停」下車、北東方向へ約1.7Km。

(撮影:平成25年10月13日)