(弘前市史 No:弘前96)
中別所(なかべっしょ)石塔婆群・石仏(いしぼとけ) [青森県弘前市中別所字葛野(くずの)]
石仏ブロックで三番目に古い 永仁六年(1298)造立の石塔婆で、「一法師丸」 五七日(三十五日)忌の供養塔として造立された。
中別所 金剛界大日種子石塔婆(中央)(鎌倉時代後期 永仁六年 1298年、安山岩、高さ 約150Cm 幅 47Cm)
下方で折れ、修理を施す。表面を研磨した石面、上方に金剛界大日如来の種子「バン」、下方に造立趣旨と紀年銘を刻む。 |
石塔婆 上方
金剛界大日如来の種子「バン」を薬研彫する。
身部上方、金剛界大日如来の種子「バン」 | 身部下方の刻銘 |
刻銘:「右志者為一法師丸聖霊五七日、刻支提一基将法界衆生利、益故也 永仁六年(1298)戊戌、三月廿六日敬白」
永仁六年(1298)三月二十六日 一法師丸 五七日(三十五日)忌の供養塔として本石塔婆が造立された。
尚、本石塔婆群には、同じ人物名(一法師丸)を刻む延慶二年(1309)銘の十三年忌供養石塔婆が立っている。
刻銘:「永仁六年(1298)戊戌、三月」 | 付近には、「中別所館」と呼ばれる中世城館跡がある。 |
(弘前市史 No:弘前93)
中別所(なかべっしょ)石塔婆群・石仏(いしぼとけ) [青森県弘前市中別所字葛野(くずの)]
永仁六年塔の左側に立つ石塔婆で、金剛界大日種子「バン」を主尊とする。紀年銘・銘文ともに刻まれていない。
中別所(なかべっしょ)金剛界大日種子石塔婆 (紀年銘なし、安山岩、高さ 114Cm 幅 55Cm 厚さ 29Cm)
地元産 「兼平石」の石面、頭部を山形に似せ、荒く成形する。身部は、上方に金剛界大日如来の種子「バン」を薬研彫する。 |
中別所 正和二年銘 金剛界大日種子石塔婆 石仏と石塔-目次!
中別所(なかべっしょ)石塔婆群 (石仏)
写真 中央に永仁六年銘石塔婆、その左側に本 大日種子石塔婆が立っている。
*JR 弘前駅前から弘南バス 弘前~船沢・三ツ森線、または弘前~弥生・新岡・葛原線に乗車、「折笠バス停」下車、北東方向へ約1.7Km。
(撮影:平成25年10月13日)