中別所 正応四年銘 金剛界大日種子石塔婆(弘前市史 No:弘前99)

 中別所(なかべっしょ)石塔婆群・石仏(いしぼとけ) [青森県弘前市中別所字葛野(くずの)]

  石仏(いしぼとけ)ブロックで二番目に古い 正応四年(1291)の紀年銘がある石塔婆で、金剛界大日種子を主尊とする。

中別所 金剛界大日種子石塔婆 (鎌倉時代後期 正応四年 1291年、安山岩、高さ 132Cm 幅 83Cm)

上部右側が欠けている。表面を研磨した石面、上方に金剛界大日如来の種子「バン」、下方に造立趣旨と紀年銘を刻む。

石塔婆 上方

金剛界大日如来の種子「バン」を薬研彫する。

石塔婆 下部

五行で、造立趣旨と紀年銘を刻む。尚、「孝子、敬白」の文字は下、側面側に刻まれている。

刻銘:「右造石塔旨者、奉為故禅定比、丘尼聖霊増進、覚道也、正応四年(1291)七月 日、孝子、敬白」

刻銘:「正應四年(1291)七月日」 本石塔婆群の大半は、金剛界大日種子「バン」を主尊とする。

中別所 阿弥陀三尊種子石塔婆(弘前市史 No:弘前100)

 中別所(なかべっしょ)石塔婆群・石仏(いしぼとけ) [青森県弘前市中別所字葛野(くずの)]

  本石塔婆群で唯一 阿弥陀三尊種子を主尊とする。紀年銘・銘文ともに刻まれていない。

中別所(なかべっしょ) 阿弥陀三尊種子石塔婆 (紀年銘なし、安山岩、高さ 116.5Cm 幅 87Cm 厚さ 38.5Cm)

地元産 「兼平石(かねひらいし)」の石面、頭部を山形に似せ荒く成形する。身部は、上方に阿弥陀三尊の種子のみを薬研彫する。

阿弥陀三尊の種子

三尊種子は、上方に阿弥陀如来の種子「キリーク」、向って右下 に観音菩薩の種子「サ」、左に勢至菩薩の種子「サク」を刻む。

※ 中別所(なかべっしょ)石塔婆群 掲載分一覧

 中別所 永仁六年銘 金剛界大日種子石塔婆                石仏と石塔-目次!

中別所(なかべっしょ)石塔婆群 (石仏)

写真 中央に阿弥陀三尊種子石塔婆、その後ろに正応四年銘石塔婆が立っている。

 板碑(いたび)

*JR 弘前駅前から弘南バス 弘前~船沢・三ツ森線、または弘前~弥生・新岡・葛原線に乗車、「折笠バス停」下車、北東方向へ約1.7Km。

(撮影:平成25年10月13日)