長沢観音堂(ながさわかんのんどう)(愛知県豊川市長沢町午新133)
愛知県最古の在銘自然石塔婆で、鎌倉時代後期 正安二年(1300)の紀年銘がある。
長沢観音堂三尊種子板碑(市指定文化財、鎌倉時代後期 正安二年 1300年、安山岩、地上高 190Cm 最大幅 44Cm)
長沢観音堂の入口、石段を登った右手に立つ。石塔婆は、正面に「バン」・「バク」・「ア」を縦に大きく薬研彫し、下方に紀年銘を刻む。 |
板碑 上部
頭部は尖り、二条線はない。
身部上方、三尊種子 | 身部下方、刻銘 |
三尊種子は、上から大きく金剛界大日如来の種子「バン」、釈迦如来の種子「バク」、胎蔵界大日如来の種子「ア」を薬研彫する。
下方の刻銘は、「正安二(1300)」、「口口一」、「口口」と線刻されている。
金剛界大日如来の種子「バン」
刻銘:「正安二(1300)」 | 刻銘:「口口一」、「口口」 |
石造遺品の少ない愛知県で最古の紀年銘を持つ自然石塔婆で、鎌倉時代後期 正安二年(1300)の紀年銘がある。
釈迦如来の種子「バク」
板碑、向って左側面 | 板碑、向って右側面・背面 |
板碑、両側面
自然石塔婆(板碑)は、方柱形。
胎蔵界大日如来の種子「ア」
長沢観音堂入口、門風に立つ二基の立石
向って右側が板碑で、左は自然石
長沢観音堂
長沢城主 松平氏建立と伝える。
*名鉄名古屋本線 「名電長沢駅」下車、南東方向へ徒歩 約7分。長沢観音堂は、国道一号線に南接する小丘の頂上に立つ。
(撮影:平成25年9月9日)