東京国立博物館 (東京都台東区上野公園13-9)
もと東海道本線 敷設工事の際 小田原市城山三丁目で出土した石塔婆で、南北朝時代初期 建武元年(1334)の紀年銘がある。
東京国立博物館 阿弥陀三尊種子石塔婆(南北朝時代初期 建武元年 1334年、安山岩、高さ 142.8Cm 下幅 54Cm)
現在 東京国立博物館構内 表慶館前に立つ。石塔婆は、身部上方に阿弥陀三尊種子、下方に造立趣旨と紀年銘を刻んでいる。 |
出土場所附近には居神(いがみ)神社があり、境内には本石塔婆と同形式の大日種子石塔婆(1317年)や阿弥陀種子石塔婆(1322年)などが安置されている。
石塔婆 頭部
頭部山形で板碑風。荒く成形した加工痕が認められる。
身部上方
上方に阿弥陀如来の種子「キリーク」、向かって右下に観音菩薩の種子「サ」、左下に勢至菩薩の種子「サク」を薬研彫する。
石塔婆 下方の刻銘
向かって右から「為悲母一周忌、乃至法界衆也、建武元(1334)七(月)八(日)、敬白」と刻む。
亡き母の一周忌供養として、南北朝時代 初頭 建武元年(1334)七月八日に造立された。
刻銘:「建武元(1334)七(月)八(日)、敬白」 | 刻銘:「為悲母一周忌、乃至法界衆也」 |
刻銘の下、線刻五輪塔
水輪の中央に五輪塔四門の梵字の内、水輪部の梵字が刻まれている。
居神(いがみ)神社の石塔婆群にも、単独で五輪塔を刻んだ石塔婆が見られる。
浅草寺(せんそうじ)西仏(さいぶつ)板碑 石仏と石塔-目次!
石塔婆、側背面
側面部に、荒く成形した痕がある。
*JR 「上野駅公園口」下車、徒歩 約10分。
(撮影:平成26年10月2日)