仲明寺(ちゅうみょうじ)宝篋印塔

 仲明寺(ちゅうみょうじ)(滋賀県蒲生郡日野町大字佐久良324)

  右塔基礎の二茎蓮文様が珍しい

三基の寄せ集め宝篋印塔(鎌倉時代後期~室町時代後期)

中世の頃、奥津保(おくつぼ)と呼ばれた桜谷の領主 小倉実澄・実重・実隆三代の墓石と伝えられている

   右塔(向かって右側の宝篋印塔)

   相輪、笠(高さ 33.2Cm)、基礎(高さ 31.7Cm)と別々のパーツを集めた寄せ集め塔。塔身は後補

笠は下二段、上五段、隅飾は二弧輪郭付で内は無地(南北朝時代初期)
宝篋印塔は、本堂の向かって左側奥にある墓地に立っている 塔身は四面とも無地で、切石による後補

基礎(鎌倉時代後期) 東側面の珍しい宝瓶二茎蓮文様

基礎は檀上積式で、上端は複弁の反花、側面は格狭間をつくり内に宝瓶三茎蓮二面、開蓮華一面、宝瓶二茎蓮一面を刻む

基礎 (高さ 31.7Cm) 正面、中央開花の宝瓶三茎蓮文様
基礎背面、開蓮華文様。四面とも仕事が細かく豪華で美しい 相輪は九輪の上部で折れ、接続修理がなされている(室町時代中期)

   中央塔(中央の宝篋印塔)

基礎(高さ 24.1Cm)正面(向かって左面)と東面(右面)
別々の部品を集めた寄せ集め塔。相輪は五輪塔の風・空輪で代用 基礎背面(向かって左面)と西面(右面)

基礎は檀上積式で、上端二段、側面は西面を除く三面が格狭間内に図案化した宝瓶三茎蓮を刻み、西面は素面。室町時代前期の造立。塔身は後補。

笠(高さ 34.3Cm)の段形は下二段、上五段、隅飾は二弧輪郭付で内に月輪を陽刻する。鎌倉時代末期の造立

   左塔(向かって左側の宝篋印塔)

基礎(高さ 18.7Cm)正面(向かって左面)と東面(右面)
寄せ集めの三尺塔。相輪は、五輪塔の風・空輪で代用 基礎背面(向かって左面)と西面(右面)

基礎は檀上積式で、上端二段、側面は西面を除く三面が格狭間内に図案化した宝瓶三茎蓮を刻み、西面は素面。室町時代後期の作。塔身は後補。

笠(高さ 22.2Cm)の段形は、下が薄く二段、上五段、隅飾は三弧輪郭付で内は無地(室町時代前期)

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仲  明 寺 (ちゅうみょうじ)

*近江鉄道 桜川駅前より 日野町営バス桜川線乗車、「佐久良バス停」下車 すぐ

(撮影:平成21年3月11日)