醫王寺(いおうじ)阿弥陀種子断碑

 醫王寺(いおうじ)(埼玉県さいたま市南区白幡2-16-8)

   完存であれば4m近くあったと推定される大型板碑で、鎌倉時代後期 延慶二年(1309)の紀年銘がある。

醫王寺 阿弥陀一尊種子断碑(市指定文化財、鎌倉時代後期 延慶二年 1309年、緑泥片岩、高さ 240Cm 下幅 71Cm)

板碑は、上部と根部を欠失する。身部上方は、阿弥陀の種子「キリーク」の下方と蓮華座が残り、下方は光明真言・願文・紀年銘を刻む。

板碑 上部

頭部山形を欠失する。身部は、一重線の輪郭を巻き、阿弥陀種子「キリーク」の下部と深い彫りの蓮華座が残る。

身部下方光明真言銘文を刻む。 板碑側面、下方で折損し、鉄枠とコンクリートで補強する。

身部下方の刻銘は、光明真言を梵字で四行、その下 中央に紀年銘、左右に各二行 造立趣旨を刻んでいる。文字は、メリハリがきいて美しい。

身部、光明真言 (梵字) 身部、造立趣旨と紀年銘

光明真言:「オン、ア、ボ、ギャ、ベイ、ロ」、「シャナ、マ、カーボ、ダラ」、「マ、ニ、ハンドマ、ジンバラ」、「ハラ、バ、リタ、ヤ、ウーン」

中央、紀年銘:「延慶二年(1309)、己酉、十一月晦日」

左右、各二行、造立趣旨:右率都婆者大口口摩耶口、爰唱幽霊俄滅口留遺詞口」、「師親別離難押恋涙仍各為、訪旅魂奉立功徳普及法也」

板碑、下部

中央に紀年銘、左右に各二行 造立趣旨を刻んでいる。

板碑は、完存であれば4m近くあったと推定されている。 刻銘:「延慶二年(1309)、己酉

醫王寺(いおうじ)本堂(真言宗豊山派)

板碑は、本堂に向って右側手前に立っている。

 喜多院(きたいん)暦応五年銘 阿弥陀種子板碑                   石仏と石塔-目次!

醫王寺(いおうじ) 鐘楼門

 板碑(いたび)

*JR埼京線 「武蔵浦和駅」下車、東方向へ徒歩 約9分。

(撮影:平成24年11月13日)