茶臼塚(ちゃうすづか)阿弥陀三尊種子板碑(埼玉県熊谷市村岡362)
村岡三差路の南西240m村岡集会所の広場に立つ板碑で、熊谷市内で一番大きな板碑。鎌倉時代中期 文永十年(1273)の銘がある。
茶臼塚 阿弥陀三尊種子板碑 (市指定文化財、鎌倉時代中期 文永十年 1273年、緑泥片岩、地上高 331Cm)
板碑は、上方に阿弥陀の種子「キリーク」、その右下に観音の種子「サ」、左下に勢至の種子「サク」を各尊 蓮華座なしに薬研彫する |
板碑 上部
頭部山形、下に二段の切込をつくり、身部は一重の輪郭を巻く
下方上部に往生本縁経の四句の偈(げ)、下部中央に紀年銘、左右に銘文等を刻む。 |
銘文:「右志者、為過去慈父幽霊、成仏得道」「兼現在悲母現当二世、悉地円満也」
「文永十年(1273)辛酉二月時正、口七ケ口一日経、孝子等九人、敬白」
文永十年(1273)春、彼岸の中日に九人の子息らが、亡き父の菩提を弔い、同時に存命する母の逆修供養の願いをこめて造立された。
往生本縁経、四句の偈(げ)
偈(げ):「一念弥陀仏(いちねんみだぶつ)即滅無量罪(そくめつむりょうざい)現受無比楽(げんじゅむひらく)後生清浄土(ごしょうしょうじょうど)」
[ 一たび阿弥陀仏を念ずれば、ただちに無量の罪を滅ぼし、まのあたりに無比の楽を受け、後生には浄土に生まれん。]
紀年銘:「文永十年(1273)癸酉、二月、時正」 | 阿弥陀三尊の脇侍あたりで折れ、修理・補強されている |
宝幢寺(ほうどうじ)阿弥陀一尊種子板碑. 石仏と石塔-目次!
村岡集会所広場、覆屋内に立つ板碑
*JR熊谷駅南口から国際十王バス 立正大学行きに乗車、「村岡三差路バス停」下車 南方向へ 徒歩約3分。
(撮影:平成22年11月20日)