十日町(とうかまち)六面石幢

 十日町(とうかまち)六面石幢(六地蔵幢)(長野県佐久市入澤字十日町)

  六角型 複制石幢で、細部まで良く残っている。室町時代前期 永享十二年(1440)の紀年銘がある。

十日町(とうかまち)六面石幢 (重要文化財、室町時代前期 永享十二年 1440年、安山岩、高さ 233Cm)

石幢は、県道の道端に立っている。六角型の複制石幢で、龕部の奥 各面に六地蔵を刻み、それを窓越しに拝むよう作られている。

軒は薄く、緩やかに反る。降棟の傾斜は深く、下向きの反りは軽快な印象を与える。

笠 裏

二軒繁垂木、隅木が細かく刻まれている。

笠裏に「旹 永享十二稔(1440)庚申」の紀年銘があるという。

龕部、六地蔵菩薩 龕部、六地蔵菩薩 龕部、六地蔵菩薩

地蔵は、香炉を捧げるもの、宝珠・錫杖を持つもの、合掌するもの等、夫々が違った形をしている。

龕部(がんぶ)

龕部は、奥の六面に六地蔵を厚肉彫りし、それを各面 長方形の窓をあけた六角の別石で覆い、地蔵を拝める様になっている。

龕部の上は、別石で長押(なげし)を設け、中央の地蔵が見える上に額(がく)を彫出する。

六地蔵の石上端に「迷色之師 奥州住人秀鶴」と黒漆で記されてあるという。

龕部、六地蔵菩薩 龕部、六地蔵菩薩 龕部、六地蔵菩薩

六体の地蔵菩薩(六地蔵)が、六道(地獄道・餓鬼道・畜生道・修羅道・人間道・天道)から亡者を救済する。

中  台

中台は六角屋根になり、上部に一段を設け、側面に二区の勾欄を刻んでいる。

竿(さお)、円柱で上下端に大きな単弁の座をつくる。 宝珠(頂部)、請花

竿にある多くのくぼみは、子どもの手慰みとも 信者が信仰のため削って持ち帰ったともいわれている。

基 礎

風化し、当時の姿は不明。

 万治(まんじ)の石仏                                 石仏と石塔!

十日町 六面石幢 (重要文化財、室町時代前期 永享十二年 1440年)

十日町集落、県道の道端に立っている。

 石 幢 (せきどう)

*JR小梅線「羽黒下駅」下車、北方向 県道沿いに約1Km。

(撮影:平成27年3月26日)