飛鳥田(あすかだ)神社御旅所 五輪卒塔婆(京都市伏見区横大路中ノ庄町)
鎌倉時代中期 文永十一年(1274)の銘がある京都屈指の古遺品
飛鳥田神社御旅所 五輪卒塔婆(鎌倉時代中期 文永十一年 1274年、花崗岩、高さ 240Cm)
石柱(30Cm角)の上に五輪塔形を一石で彫成。正面上部に定印の阿弥陀坐像を彫り、側面左右に観音・勢至の種子を刻み阿弥陀三尊を表す |
正面上部、舟形内に定印を結ぶ阿弥陀如来坐像が半肉彫りされている
月輪内に勢至菩薩の種子「サク」を刻む(向かって左側面) | 月輪内に観音菩薩の種子「サ」を刻む(向かって右側面) |
民家のブロック塀と軽量鉄鋼で作られた塀の間を入った所に立っている(写真左奥が入口:最下段記事参照)
正面阿弥陀坐像下の刻銘 | 向かって右側面、観音菩薩の種子の下にある刻銘 |
正面刻銘:「右意趣者、以相当慈父聖霊一十三年忌景、為滅罪生善証大菩提、所造立如件」
(亡き慈父の十三年忌にあたり、菩提を弔うため、文永十一年(1274)に造立された)
右側面刻銘:「文永十一年八月十九日、橘友□敬白」
五輪塔正面には、空・風・火・水・地輪に五輪塔四門の梵字の内、発心門の梵字 キャ・カ・ラ・バ・アが刻まれている |
飛鳥田(あすかだ)神社御旅所 五輪塔
五輪塔は、四面に四門(発心門・修行門・菩提門・涅槃門)の梵字が刻まれている
五輪卒塔婆と同じ頃につくられた五輪塔で、各輪がすべて揃っている
五輪塔紀年順 | 田原五輪塔(たばるごりんとう)(鎌倉時代中期) | 五輪塔-紀年順-目次 |
*京阪電車 中書島駅から京都市バス「宮前橋西詰行き」に乗車、府道横大路バス停」下車 西へ徒歩 約 10分。非常にわかりにくい場所にある。浄貞院(横大路中ノ庄町26)の境内南西に隣接する民家のブロック塀と軽量鉄鋼で作られた塀の隙間(2m弱)を入ると、民家の裏庭的空間があり、そこに立っている。
(撮影:平成20年10月30日)