宮原(みやばい)二尊種子板碑

 宮原(みやばい)二尊種子板碑(鹿児島県肝属郡南大隅町根占川北宮原)

   釈迦種子と普賢種子の二尊を主尊とする板碑で、鎌倉時代後期 正安三年(1301)の紀年銘がある。

宮原 二尊種子板碑(町指定文化財、鎌倉時代後期 正安三年 1301年、凝灰岩、高さ 230Cm 幅 51Cm 厚さ 23Cm)

板碑は、頂部山形、下に二段の切込。身部は、上方に釈迦と普賢の二尊種子、下方に造立趣旨と紀年銘を刻む。

板碑は、神山小学校西側の道を北側に進むと、小学校の西北角辺りに現地説明板がある。その案内板から手前、隣地民家との境、奥側に立っている。

板碑 頭部

頭頂山形、下に二段の切込、額部(がくぶ)は突出する。

身部上方、二尊種子 この地は、東漸寺の末寺 宝蔵院(真言宗)の跡地という。

二尊種子、上方

釈迦如来の種子「バク」を刻む。

二尊種子、下方

普賢菩薩の種子「アン」を刻む。

板碑では、釈迦三尊種子(「バク」「マン(文殊)」「アン」)を刻んだものは、まま見かけるが、二尊で刻まれたものは珍しい。

板碑 下部

刻銘は、苔が付着して読めないが、以下の通り刻まれている。

中央に「正安三年(1301)、辛丑、五月廿六日、相当干第三年、孝子等、敬白

両側に「右造立志者慈父聖霊頓証、菩提乃至法家衆生平等利益也」と刻む。

現地説明板によると、祢寝(ねじめ)五代 清治の嫡子 清信が父に先んじて死去、子等が亡き父の三年忌に本板碑を造立した。

板碑、側面

二段の切込は、側面にまでおよぶ。

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正安三年碑の横に立つ小型板碑

 板碑(いたび)

*鹿屋(かのや)から三州バス 大泊行きに乗車、「根占バス停」下車、北西方向へ約600m。(神山小学校バス停から約100m)。

(撮影:平成26年5月25日)