川田堂園(かわだどうぞの)角塔婆(榮慶塔)

 川田堂園(かわだどうぞの)供養塔群(鹿児島県鹿児島市川田町1238)

   榮慶(榮尊の五男、辺牟木氏の祖)の名が刻まれた角塔婆で、塔身の上半を欠失する。鎌倉時代後期の造立と推定されている。

川田堂園(かわだどうぞの)角塔婆(榮慶塔) (県指定史跡、推定:鎌倉時代後期、凝灰岩、高さ 175Cm)

石塔群の後方、左端(南西側)に立つ。塔身の上半部を欠失、四面に五輪(五大)の梵字五字の内、二字がのこっている。

正面、梵字は、この面だけ薬研彫で刻まれている。 正面 下方、刻銘があるが摩耗が激しく、内容は不明。

正面は、東方 発心門の梵字キャ・カ・ラ・バ・ア」の内、下方の二字バ・アが残る。梵字は、この面だけ薬研彫で刻み、他の三面と差別化が図られている。

五輪(五大)の梵字、上から下へ

キャ・カ・ラ・バ・ア   (東方、発心門)               キャー・カー・ラー・バー・アー   (南方、修行門)

ケン・カン・ラン・バン・アン   (西方、菩提門)         キャク・カク・ラク・バク・アク    (北方、涅槃門)

塔身、(正面と向かって左側面)

五大の梵字は、正面は薬研彫、他の三面は三鈎体で表現されている。

塔身、向かって左側面 左側面、下方の刻銘:「僧榮慶」

左側面は、南方 修行門の梵字キャー・カー・ラー・バー・アー」の内、下方の二字バー・アーが残る。下方は「僧榮慶」の名が刻まれている。

「僧榮慶」は榮尊の五男で、辺牟木氏の祖 辺牟木又五郎義隆の法名という。

川田堂園(かわだどうぞの)角塔婆(榮慶塔)背面

塔身、背面 塔身、向かって右側面

背面は、西方 菩提門の梵字キャン・カン・ラン・バン・アン」の内、下方の二字バン・アンが残る。下方はなにも刻まれていない。

右側面は、北方 涅槃門の梵字キャク・カク・ラク・バク・アク」の内、下方の二字バク・アクが残る。下方はなにも刻まれていない。

基 礎

基礎は、上端一段で側面は無地。塔身をはめ込むようになっている。

北側に立つ、もう一基の角塔婆

 川田堂園(かわだどうぞの)五輪塔(盛資塔)                    石仏と石塔-目次!

川田堂園(かわだどうぞの)供養塔群 新しい標識

 板碑(いたび)

*JR鹿児島中央駅前からJRバス 薩摩郡山行きに乗車、「南方校バス停」下車、南南西方向に徒歩 約4分。

(撮影:平成26年5月27日)