地蔵寺(じぞうじ)五輪塔

 地蔵寺(じぞうじ)(和歌山県橋本市高野口町名倉993)

  五輪塔正面の各輪に「ア・ビ・ラ・ウーン・ケン」の大日報身真言を刻む。もと西隣りにあった西福寺にあったもので南朝年号 正平十一年(1356)の紀年銘がある。

地蔵寺(じぞうじ)五輪塔 (県指定文化財、南北朝時代 正平十一年 1356年、砂岩、高さ 203Cm)

風・空輪 (刻銘:「ウーン」・「ケン」)一石からなり空輪は宝珠の形。
本堂横、向って左側に立つ。明治初年廃寺となった西福寺の五輪塔 水輪正面 (刻銘:「ビ」)肩が張った壺型。

火 輪 正 面 (刻銘:「ラ」)

軒口厚く、両端で反る。笠の先端は垂直に切る。

正面、地輪から上に向って「ア・ビ・ラ・ウーン・ケン」「大日報身真言」を刻み、他の三面は梵字を刻まず正面性を重視する。

地 輪 (正面:南面)

中央に梵字「ア」、向って右に「正平十一年(1356)、丙申、二月十五日」、左に「光明真言一結衆等」の刻銘がある。

[ 光明真言を通じて信仰結衆した人たちにより、正平十一年(1356)二月十五日に造立された。]

同様に光明真言一結衆により造立された例は、神戸市北区の石峯寺(しゃくぶじ)五輪塔にもある。

刻銘:光明真言一結衆等 刻銘:正平十一年(1356)、丙申、二月十五日

 

地蔵寺(じぞうじ)石段 (江戸時代後期 寛政元年 1789年)

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地蔵寺(じぞうじ)(真言宗)

五輪塔紀年順

 稲葉崎(いなばさき)五輪塔(南北朝時代)

 五輪塔-紀年順-目次

*JR和歌山線「高野口駅」下車、南方向へ徒歩2分。

(撮影:平成25年7月18日)