阿弥陀寺(あみだじ)五輪塔

 阿弥陀寺(あみだじ)(和歌山県橋本市御幸辻12)

  法華講衆等により造立された五輪塔で、正面の各輪に「ア・ビ・ラ・ウーン・ケン」の大日報身真言を刻む。南朝年号 天授五年(1379)の紀年銘がある。

阿弥陀寺(あみだじ)五輪塔 (南北朝時代後期 天授五年 1379年、結晶片岩、高さ 117Cm)

風・空輪 (刻銘:「ウーン」・「ケン」)一石からなり空輪は宝珠の形。
整った形状の五輪塔は、本堂前、向って右側の壁際に立つ。 水輪正面 (刻銘:「ビ」)やや横に長い球形。

火 輪 正 面 (刻銘:「ラ」)

軒口厚く、両端で反る。笠の先端は垂直に切る。

正面、地輪から上に向って「ア・ビ・ラ・ウーン・ケン」「大日報身真言」を刻み、他の三面は梵字を刻まず正面性を重視する。

地 輪 (正面)

中央に梵字「ア」、向って右に「為現世安穏、後生善處(処)也」、左に「天授五年(1379)、己未、四月八日、法華講衆等、敬白の刻銘がある。

[ 現世は安穏にして、来世は浄土に生まれんことを願って、南朝年号 天授五年(1379)四月八日 法華講衆等によりに造立された。]

※ 法華経薬草喩品に出る偈(げ):「現世安穏(げんぜあんのん)、後生善処(ごしょうぜんしょ)

[ 現世は安穏にして、後には弥陀の浄土に生ぜんことを ]

銘:天授五年己未、四月八日、法華講衆等、敬白 刻銘:為現世安穏、後生善處(処)

台 座

大和形式の複弁反花座で、側面無地、頂部に地輪を載せる方形の請座を設ける。

 定福寺(じょうふくじ)九重石塔.                             石仏と石塔-目次!

阿弥陀寺 (あみだじ)

五輪塔紀年順

 犬飼(いぬかい)五輪塔(南北朝時代後期)

 五輪塔-紀年順-目次

*南海電鉄 高野線「御幸辻駅」下車、南南東方向へ徒歩 約5分。

(撮影:平成25年7月18日)