光明寺(こうみょうじ)地蔵石仏

 光明寺(こうみょうじ)〈三重県津市新家町(にのみちょう)1483〉

  桃園地区には光明寺の他、栄松寺宝樹寺、と三体の鎌倉時代後期 正和三年(1314)銘 地蔵石仏がある。

光明寺 地蔵石仏 (県指定文化財、鎌倉時代後期 正和三年 1314年、砂岩、高さ 211Cm)

門内左手の堂内に安置する。像高は、約140Cmで、二重光背型の前面に、右手に錫杖、左手に宝珠を持つ地蔵菩薩立像を厚肉彫りする

光背の向かって右側(写真:上右)に「正和三年(1314)甲寅八月廿四日 願主 沙弥道観」と一行の刻銘がある

沙弥道観は、光明寺の僧で、建長二年(1250)に生まれ、建武二年(1335)で亡くなっている。石仏がつくられた正和三年(1314)は、64歳であった。

光明寺を含めた近隣の寺院に正和三年(1314)銘の地蔵石仏が三体あり、栄松寺が同年8月16日、光明寺が8月24日、宝樹寺が8月29日で、わずか14日

の間に三体もの優れた地蔵菩薩が完成している。三体とも願主名が刻まれているが、素姓の判明しているのは、光明寺の願主 道観のみで、栄松寺は沙

淪海(りんかい)で僧名、宝樹寺は右衛門少尉 源 幹重で武家の名前となっている。また三体は立像、龕像、坐像と表現が異なっている。・・・・・・・・・・・

光明寺 本堂

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光明寺(こうみょうじ)

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*近鉄 名古屋線 「桃園駅」下車、東方向へ徒歩 約10分。

(撮影:平成22年7月27日)