長尾寺経幢(ながおじきょうどう)(弘安六年銘)

 長尾寺(ながおじ)(香川県さぬき市長尾西653)

  天平十一年(739)行基が開いたといわれる古刹。四国八十八カ所 第八十七番札所。天和三年(1683)に真言宗から天台宗に改宗した。

長尾寺(ながおじ)経幢(重要文化財、鎌倉時代中期 弘安六年 1283年、凝灰岩、高さ 200Cm)

幢身上部に金剛界四仏の古風な種子を刻む(東面、アク:不空成就)
山門の前、向かって左側の覆屋の中に立っている 幢身上部に金剛界四仏の古風な種子を刻む(南面、ウーン:阿閦如来)

経幢(きょうどう)は、経文を埋納保存する施設、もしくは供養の標識として鎌倉時代中期頃からつくられるようになった。長尾寺のものは屈指の古さを誇る

経幢 頂部

八角の笠と低い宝珠を一石でつくる

幢身上部に金剛界四仏の古風な種子を刻む(西面、タラーク:宝生如来)
幢身上部に金剛界四仏の古風な種子を刻む(北面、キリーク:阿弥陀) 経幢は単制で、幢身は太い四角柱に大面取を施した形

経幢は、明治末年に本堂前から移された。幢身内に経を納めた空洞がある。現在、阿弥陀の種子「キリーク」が北面にあり、90度 反時計方向へ廻した方向が本来の方向

繰 形 座

幢身の下に方形の繰形座を据える

幢身の北面に「弘安六年(1283)歳次、癸未七月日」の紀年銘が刻まれ、鎌倉時代の弘安六年(1283)に奉納されたことがわかる

経幢 (弘安六年銘)

山門前、向かって左側の覆屋

 長尾寺経幢 (ながおじきょうどう)(弘安九年銘)                石仏と石塔-目次!

長尾寺 山門 (江戸時代前期 寛文十年 1670年建立)

山門の前、覆屋の中に二基の経幢が置かれている。弘安六年(1283)銘は向かって左側の覆屋の中

 石 幢 (せきどう)

*琴電 長尾線「長尾駅」下車、東方向へ 徒歩 約5分。又は、JR高徳線「造田駅」下車、南西方向へ徒歩 約40分。

(撮影:平成22年5月31日)