一乗谷遺跡・盛源寺(せいげんじ)の石造遺物(1)

 盛源寺(せいげんじ)(福井県福井市西新町8-9)

  盛源寺は、西山光照寺と同様、天台宗真盛派に属し、明応元年(1492)に創建された。盛源寺には七百体近くの石造遺物が残っている。

  ほとんどが、地元の代表的な石材である足羽山産の薄緑色をした笏谷石(しゃくだにいし)を用いている。

盛源寺(せいげんじ)本堂横の石仏群 (市指定史跡、室町時代後期 、凝灰岩)

一乗谷に残る石仏・石塔 三千体の内、約二千体が天台宗真盛派の寺院に属し、この派が石造遺物造立の重要な担い手であった

  盛源寺(せいげんじ)地蔵石仏

盛源寺(せいげんじ)地蔵石仏((市指定史跡、室町時代後期 天文六年 1537年、凝灰岩、高さ 270Cm)

舟形光背の前に、右手錫杖、左手に宝珠を持つ地蔵菩薩立像を厚肉に彫り出す。

地蔵石仏 頭部

頭光内上部に阿弥陀の種子「キリーク」が刻まれている

阿弥陀両脇の光背に六個の月輪が陽刻され、内に六尊の種子が刻まれる。また光背の向かって左下に「天文六年」の紀年銘がある

地蔵石仏 足部

  盛源寺(せいげんじ)阿弥陀石仏

阿弥陀石仏、頭部を欠損。光背面に施主名が入る 阿弥陀石仏、顔面を損傷。衣文の細かい所まで彫られている

層塔基壇の前に置かれた小石仏群

  盛源寺(せいげんじ)石造層塔

盛源寺(せいげんじ)石造層塔(市指定史跡、凝灰岩)

基礎と塔身は失われ一石五輪塔積んだ基壇上に、六層の屋根と上部を欠失した相輪を載せる

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盛源寺(せいげんじ)石造層塔(市指定史跡、凝灰岩)

四層目と五層目の屋根の逓減(ていげん)に違和感があり、もとはこの間に何層かあり、九層であったと考えられている

 石  仏-紀年順-目次

*JR福井駅前駅より京福バス 鹿俣(かなまた)行きに乗車、「西新町前バス停」下車。JR越美線「一乗谷駅」下車 徒歩。

(撮影:平成21年11月25日)