熊野奥照神社 金剛界五仏種子石塔婆(弘前市史No:弘前39)

 熊野奥照神社(くまのおくてるじんじゃ)(青森県弘前市田町4-1-1)

  道光(工藤六郎入道)の五七日(三十五日)忌に造立された金剛界五仏種子を刻む石塔婆で南北朝時代前期 建武三年(1336)の紀年銘がある。

熊野奥照神社 金剛界五仏種子石塔婆 (市指定文化財、南北朝時代前期 建武三年 1336年、安山岩、高さ 75.5Cm 幅 60.5Cm)

参道の右手に立つ石塔婆。身部上方、蓮座上大月輪内に金剛界五仏の種子を小月輪内に刻み、下方に造立趣旨と紀年銘を刻む。

石塔婆 上部

各々月輪内に金剛界五仏を刻み、五仏を大月輪で囲む。

五仏は、中央に金剛界大日「バン」、上方から時計回りに阿弥陀種子「キリーク」(西)、不空成就種子「アク」(北)

、阿閦種子「ウーン」(東)、宝生種子「タラーク」(南)で、曼荼羅の方向と同じく上方が西で、向って右が北方向。

石塔婆 下部

五行の銘文があり、造立趣旨と紀年銘が刻まれている。

刻銘:「道光禅門、当五七日、成当正覚、乃以法界、建武三(1336)丙子、三月十九」

熊野奥照神社 石塔婆(現地説明板)

 城東八幡宮 胎蔵界大日種子石塔婆                     石仏と石塔-目次!

熊野奥照神社(くまのおくてるじんじゃ)

坂上田村麻呂が蝦夷征伐にあたって祈願したという古社で、天正十六年(1588)

津軽為信が修理し、二代藩主 信枚が再建したという。三間社流造の本殿は国の重要文化財。

 板碑(いたび)

*JR弘前駅前から弘南バス 宮園団地線に乗車、 「労働福祉会館前バス停」下車、西方向へ 約350m。「弘前駅観光案内所」で、レンタサイクルを利用するのが便利。

(撮影:平成25年10月13日)