善光寺(ぜんこうじ)宝篋印塔西塔

 善光寺(ぜんこうじ)(長野県長野市元善町491)

   室町時代前期 応永四年(1397)の紀年銘がある宝篋印塔で、逆修塔として造立されている。

善光寺(ぜんこうじ)宝篋印塔 西塔 (市指定文化財、室町時代前期 応永四年 1397年、安山岩、高さ 155Cm)

塔身南面、輪郭内に花頭窓を作り金剛界四仏種子を刻む(タラーク:宝生)
山門をくぐった左手側、二基立っている宝篋印塔の奥側。 塔身西面、輪郭内に花頭窓を作り金剛界四仏種子を刻む(キリーク:弥陀)

塔身は、各面 輪郭を巻いた中に花頭窓を作り、金剛界四仏の種子を刻む。塔は古来から、源義経の忠臣 佐藤継信・忠信兄弟の供養塔というが、伝説にすぎない。

笠は上四段の段型で、四段目は側面が二区の露盤、隅飾は四隅とも上部を欠損する。

笠、露盤

笠の上四段目は露盤で、側面が二区、各々 内に格狭間をつくる。

塔身北面、輪郭内に花頭窓を作り金剛界四仏種子を刻む(アク:不空成就)
塔身東面、輪郭内に花頭窓を作り金剛界四仏種子を刻む(ウーン:阿閦) 後ろに見えるのは、善光寺山門(重要文化財、江戸時代中期)。

基 礎

基礎上端は単弁反花、側面は四面とも二区で、側面に

多くの人名と「逆修」の文字、及び「応永四年(1397)」の紀年銘が刻まれている。

基礎側面の刻銘

塔身に禅宗様の花頭窓をつくるなど、珍しい手法が見られる。 刻銘:「応永四年(1397)

最下の基壇部

上端は繰形座で、側面は二区。

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善光寺 山門(三門)(重要文化財、江戸時代中期 寛延三年 1750年、二層入母屋造)

楼上の「善光寺」と書かれた額は、三文字の中に鳩が五羽隠されている。

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*JR長野駅からバス「善光寺大門バス停」下車、徒歩すぐ。

(撮影:平成27年3月25日)